卒業後の展望

絵描きユニット だるま商店 ディレクター  島 直也さん 1996年卒業 -仕事に必要な立体的なモノの見方は学生時代に身についたこと!-

どんな学生生活を過ごされましたか?

もともとは大産大とは別の短大に通っていたんですが、建築に興味があったことと、阪神淡路大震災の直後ということもあり都市計画について学びたいなと思ったのがきっかけで、短大を卒業し編入しました。
3回生からのスタートですので、卒業までの2年間で4年分の単位を取得しなければならなかったので、学校でずーっと実習をしていた記憶しかないですね(笑)。

現在の職業である絵描きユニット「だるま商店」結成のいきさつを教えてください。

大学卒業後、デザイン会社に就職したんです。その後、同業種で転職をし、そこで東京へ転勤することになるんですが、当初から3年で関西へ帰ってこようという思いがあり、勉強のつもりで行ったんですね。
やがて3年が経ち、関西に戻って何をしようかと考えていたときに、東京のあるイベントで現在ユニットを組んでいる絵師の安西に出会ったんです。そのときからすでに彼は絵を描いていたんですが、一緒に組めば何かおもしろいことができるんじゃないかと思ったのがそもそもの始まりですね。
その後、私は仕事を辞め、埼玉出身の彼を口説き、ふたりで私の地元である京都に引っ越しユニットとして本格的に活動を始めることになるんです。

だるま商店ウェブサイト(http://dalma.jp/)

現在のお仕事について教えてください。

極端な話、着物から電車までモノさえあれば何でもデザインします。分かりやすい仕事で言うと、京都のクラブ「WORLD」さんのマンスリーの表紙デザインから、小野小町ゆかりの門跡寺院「随心院」さんに奉納するふすま絵の制作まで、幅広くお仕事をさせていただいています。
ユニット内での私の立ち位置はディレクターというポジションになります。仕事のオーダーを受けるところから始まり、先方とのミーティング、そしてどんなデザインにするかを自分の中である程度固め資料作りをします。そこから絵を担当する安西と詳細を詰めていき、最終的な仕上げまでを管理するのがディレクターとしての主な仕事ですね。

仕事をする上で大事なことは?

こんなこというのは、なんなんですが"伊達とハッタリ"ですかね(笑)。特に大きな仕事の依頼がきたときには間違いなく必要なんです。先ほどお話しました「随心院」さんに奉納したふすま絵の仕事なんかはまさにそれですよね。真言宗の大本山にあたるお寺に奉納させていただくわけですから、普通に考えたらとんでもないことですよね。自分たちで大丈夫なのか?と考えるよりも先に、自分たちならこんな素晴らしいものができるとクライアントを納得させ、まずはやってみることが大事なんじゃないかと思うんです。
しかし、仕事は受けたもののやっぱりできません!では話になりませんよね。"伊達とハッタリ"には当然ながら、それだけの責任が伴いますし、きっちり結果を出してこそ、次に繋がっていくんだと思います。

学生時代に学んだことが今の仕事に活かされていることは?

う~ん、なんだろう。。。(インタビュー中、机に置いてあるペットボトルを見て)あっ、例えばこのペットボトルを作るにしても、都市計画をするにしても、結局人と話をして何が大事かということを探しだしてやることが大切なんですよね。それと、デザインだけをすればいいのでなく、その後それがどう使われるかなど、そこまで考えなきゃいけない。物事の一面だけを見るのではなく、いろんな角度から立体的なモノの見方をすることがとても大事で、学生時代にそういった視点が養えたことは大きいですね。

今後の目標を教えてください。

エルメスの仕事がしたい!だってあのデザインはやっぱり凄いと思いますし、誰が聞いても羨ましいなと思いますよね。実は、秘かにいろいろ企んでいるところなんですが今はまだ内緒です(笑)。
あとウチの親も大家さんも大好きな宝塚歌劇団の仕事もいつかできるといいですね。

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