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平成4・1992年度中間報告総括1/4
北河内地域における生活環境と環境デザイン原理に関する研究
Research on man−environment and its environmental design principle in Kitakawachi region
研究員:
川上貢
山村悟
谷口興紀
榊原和彦
植松曄子
奥哲治
中川等
前年度に引き続き、平成4年度も、北河内という地域的枠組みを統一下敷きにして、各分担テーマに沿って、各研究員が各自の研究を進めている。
全体としての進捗状況は、
表−1
のようになる。この表をみると、前年度は、強いて言えば、逆三角形という状況であったが、今年度を加えると、全体が底上げされることにより、逆三角形性は、弱まっている。孤立点的に目だつものとして、Tによる歴史・文化一教育・養成欄がある。
今年度から新たに加わったテーマとして
「織り」
があり、その内容の一つとして、八尾市の「河内木綿保存会」による織りの再現の指導がある。「織り」というテーマは、単に物としてだけでなく、生産という観点にも視野を広げると、この地域の工業生産(自家消費工業・家内工業・軽工業という系列とその逆の系列)の展開に触れることになり、生活環境の重要な側而をカバーする。今後、強力的・協力的に研究を進める必要がある。この点の片鱗を示すものとして、民家の内部で婦人が機を織り、男たちが綿布をひさいでいる情景を示す
河内名所図会の分析
があげられる。
また、そこに描かれている集落や民家などの景観は、建築への消費を抑制しようとした寛文8・1668年の家作禁令より133年後である。
この家作禁令は、建築普請
における規模や造作の内容を制限するものであり、今風に言えば、景気抑制策であり、経済成長を抑さえる一大シミュレーションと読める。その結果、当時の日本の社会全体はどうなっていったかということは、大変興味のあることである。
環境間題の解決のモデルとして、江戸を中心とする地域が、一つの生態学的系(エコシステム)をなしていたということが言われる。また、地球温暖化に対処するためエネルギー消費の抑制が言われるとき、その社会的効果が間題とされる。このような方面の研究は、地球的規模のモデルとはならなくても、この地域の環境デザイン原理を考えるときのイメージモデルとなるであろう。
一方、現時点からの地域調査として、
住宅・道路景観の調査
と
環境造形物の分布調査
が手がけられた。前者は、景観の良し悪しと地価との関係を探るという動機が一つにはあり、環境デザインの社会的実現可能性へのデータを提供し、後者は、環境デザインの社会的動機に関するデータを提供する。
このような環境デザインの社会的側面とは対照的に、環境デザインと個人との関わりに、
「人間が人間になる」という視点
が提示され、そのことと「物的空間的場所的環境」との関わりについての研究が進められている。「環境デザインする人が環境デザインする人になる」という広義の「環境デザイン原理」への知見が与えられるこ とが期待される。
このようにそれぞれの分担テーマは、互いに内的・意昧的関連を見いだしながら、研究が進められているが、より一層その関係を強めるため、また、「環境デザイン原理」の研究に通じさせる外在的関係の強化のため、研究に何らかの統一的外的形象を与える必要がある。いわゆる「総合」という側面であるが、その一つの具体化として
「北河内研究データべース」の試作的設計
に着手した。
本年度において入手した原資料は、@河内名所図会(享和元・1801年)、A河内国絵図(改)明和5・1768年(
図−1
)、B河内細見図(増補改正)安永5・1776年(
図−2
)である。
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平成4・1992年度中間報告総括1/4
分担研究テーマ一覧
1)植松曄子:北河内地方のクラフト(織を中心として)
2)中川等:北河内地域における伝統的住環境と民家に関する研究
3)川上貢: 普請書にみる在方寺院本堂の規模表示について(北河内地域における建築生産に関する史的研究)
4)榊原和彦:北河内地域における環境デザイン手法の操作モデルに関する基礎的研究
5)山村悟:北河内地域各市における公共空問の視覚的アメ 二 ティに関する批判的研究(広場・公園・ 二 ユータウンの造形物を中心として)
6)奥哲冶:学校教育と地域環境のかかわ}川こ関する基礎的研究と具体事例(北河内地域) の調査研究(教育的環境における地域環境のもつ意味の建築学的研究にむけて)
7)谷口興紀:北河内地域生活環境惰報ネットワークノードに関する研究
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