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京都の古い物観

 「街が変わることに一抹の寂しさはありますが、京都の人間は100年、200年のちょっと古い物にはそんなに固執しません。新しく入ってきた人が違う京都をつくってくれはったら、それはそれで良いかと思います。」
 これは、2010年4月28日(水)朝日新聞「京の人」コラムの末尾部分である。
 この部分を眼にして「このような考え方が、京都にある!」とビックリした。
 その人は、京都中京区の呉服問屋の総勢13人の大家族にに生まれ育った子どもの頃のお話を内容とする漫画「せやし だし巻き 京そだち」(140B(イチヨンマルビー)、2010.4.28.)の原作者小林明子氏である。
 そこで氏のトーク&サイン会に出かけて、話を聞く。曰く「まわりに古いものがあふれているのでまひしているというか」「使っている茶わんなどでも、3代前からのものだと100年は経っているわけだから」とのこと。
 京の町屋には地下室があり、戦乱などで地上部分が焼けても、その地下室から復興の力を取り出すという噂がある。京の底力、その底の底力とはこのようなことなのだろうか。
 法隆寺の宮大工西岡常一(故人)が、あるビデオで、「人間がウロウロしている様を、1000年立っている檜は笑っているだろう」というようなことを語っていた。
これらのことから「較正」という語句が思い浮かぶ。広辞苑によれば、こうせい【較正・校正】(calibration)測定器の狂い・精度を、基準量を用いて正すこと とある。物事の判断の前に、どのような基準量を持つかについての問いが問われねばならない。

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